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新入社員の問題行動5選と上司の効果的フォロー術

新入社員の教育現場で、「何度注意しても直らない」「やる気が感じられない」と悩む上司は少なくありません。こうした“問題行動”の背景には、未熟さだけでなく心理的要因が隠れています。

この記事では、新入社員によく見られる5つの行動パターンを紹介し、それぞれに効果的なフォロー方法を解説します。理論を踏まえた育成のコツをつかみ、若手が自ら成長できる環境づくりを目指しましょう。

目次

新入社員の「問題行動」とは

よくある行動パターン

新入社員によく見られる問題行動には、「報連相の不足」「指示待ち」「言われたことしかしない」「遅刻・忘れ物」などがあります。

これらは一見、意識が低いように見えますが、実際には“社会人経験の浅さ”や“自信のなさ”が原因である場合が多いです。

特に、初めての職場環境では行動基準が分からず、何をどこまで報告すべきか判断できないこともあります。指摘する際には「正しい基準を明確に示す」ことが大切です。

問題行動の背景にある心理

問題行動の裏には「失敗への不安」や「評価されたい」という心理が隠れています。

マズローの欲求5段階説で見ると、彼らはまだ“所属と承認”の段階にいます。

まずは安心して働ける環境や、努力を認められる経験を積むことで、徐々に自己成長の段階へと進んでいきます。上司は“叱る”よりも“理解し、導く”姿勢を持つことが重要です。

注意すべき5つの問題行動

報連相ができない

報連相(報告・連絡・相談)の不足は、新入社員に最も多く見られる課題です。

上司からすると「なぜ言わないのか」と感じる場面も多いですが、その裏には「怒られたくない」「迷惑をかけたくない」という心理的な不安が潜んでいます。

特に新社会人は、報告の“適切な頻度”や“深さ”が分からず、結果的に口数が減ってしまう傾向にあります。こんな時、上司や先輩は、まず報告を受けた際に「ありがとう」「助かったよ」と肯定的なリアクションを示すことが必要です。

これにより、報連相を「叱られるリスク」ではなく「信頼されるチャンス」と捉えられるようになります。小さな報告にも感謝を伝え、安心して話せる雰囲気を作ることが、改善への第一歩です。

指示待ち・受け身姿勢

自ら考えて行動せず、上司の指示を待つ新人も多く見られます。

このような背景には「間違えるのが怖い」「自分で判断して怒られたくない」といった心理が関係しています。なぜなら学生時代までの“正解を求める教育”の影響で、正解のないビジネスの世界では戸惑いを感じるのです。

ここで効果的なのが「ピグマリオン効果(期待効果)」です。上司が「君ならできる」と信頼をもって任せることで、部下の行動力が高まる心理的現象です。

失敗しても責めず、挑戦したこと自体を肯定する姿勢を持ちましょう。安心して挑戦できる環境が整えば、新入社員は少しずつ“自分で考え、動く”主体的な行動を取るようになります。

成長を妨げる行動へのアプローチ

叱るより「理解」する姿勢

問題行動が見られたとき、つい感情的に叱ってしまいがちですが、それでは根本的な改善にはつながりません。

重要なのは、なぜその行動を取ったのかを“理解する姿勢”です。たとえば期限を守れなかった場合でも、単なる怠慢ではなく「優先順位の判断ができなかった」「報告のタイミングが分からなかった」といった背景があることも多いのです。

まず上司がまず耳を傾けることで、本人も安心して本音を話せるようになります。そのうえで、原因を一緒に分析し、次にどうすれば良いかを考える時間を共有しましょう。

この“共に考える姿勢”が、信頼関係を深め、長期的な成長につながります。

マズローの欲求5段階説で考える指導

新人教育でモチベーションを高めるには、心理的欲求を理解することが欠かせません。マズローの欲求5段階説によると、人は「生理的欲求」「安全欲求」「所属欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」の順に成長します。

新入社員の多くは、まだ“安全”と“所属”の段階にあり、まずは「安心して働ける環境」と「仲間として受け入れられている感覚」を必要としています。これを満たした上で「期待されている」「評価されている」と感じることで、次の“承認”や“自己実現”の段階へ進むのです。

心理的安全性を確保し、段階的に自信を育てる指導が、長期的な人材育成の鍵となります。

上司・先輩の正しいフォロー術

信頼関係を築くコミュニケーション

新人育成において最も重要なのは、信頼関係の構築です。

叱る場面ばかりが多いと、部下は「何を言っても否定される」と感じ、報告や相談を避けてしまいます。

そんな時は日常のちょっとした雑談や1on1の時間を活用し、業務以外の話題にも耳を傾けましょう。「最近どう?」「何か困っていることある?」といった声かけが、心理的な距離を縮めます。

信頼関係ができると、上司の指摘も“攻撃”ではなく“支援”として受け取られるようになります。安心して意見交換できる環境こそが、成長を促す土台になるのです。

ピグマリオン効果でモチベーションを高める

「期待をかけると人は成長する」というピグマリオン効果を意識した指導は非常に効果的です。上司が部下に対して「あなたならできる」「任せてみたい」と信頼の言葉をかけることで、本人の自信と行動意欲が高まります。逆に「どうせ無理だろう」といった否定的な態度は、無意識のうちにやる気を奪ってしまいます。期待を伝える際は、抽象的ではなく具体的な行動に基づいて伝えることがポイントです。例えば、「前回の提案書、改善点をしっかり反映できていたね」と具体的に褒めると、相手は“努力が認められた”と実感します。こうした積み重ねが、主体的に動く人材を育てます。

成功するフィードバックの与え方

タイミングと伝え方のコツ

効果的なフィードバックは「タイミング」と「伝え方」で決まります。問題行動を放置したまま時間が経つと、本人の意識が薄れ、改善意欲も下がります。できるだけその日のうち、または翌日にフィードバックすることが理想です。

伝え方も「注意」ではなく「対話」を意識しましょう。「どう感じた?」「次はどうしてみたい?」と質問を交えることで、受け手の理解が深まり、自主的な改善行動につながります。

さらに、良かった点と改善点をセットで伝えると、「次も頑張ろう」と前向きな意識を引き出せます。

改善点+期待を伝える方法

フィードバックでは「改善点」だけを伝えると、相手の自信を失わせるリスクがあります。重要なのは、指摘のあとに「期待」を必ず添えることです。たとえば「もう少し早めに報告できると助かる。あなたの分析力は高いから、早い段階で共有できるとさらに良くなるね」と伝えます。こうすることで、否定ではなく“成長へのアドバイス”として受け止められます。また、改善が見られたときにはその都度しっかり褒め、努力を見逃さない姿勢を示すことが信頼関係を深めます。上司の一言が、新入社員の成長意欲を大きく左右します。

チーム全体で新人を育てる仕組み

メンター制度の活用

上司一人が新人を抱え込むと、どうしても関係が悪くなりがちです。そんな時に効果的なのが、年齢や立場の近い先輩社員が相談役となる「メンター制度」です。

メンターは業務だけでなく、悩みやキャリア相談など、メンタル面の支えにもなります。定期的な面談を通して「どんなことに悩んでいるか」「どう成長したいか」を聞き出すことで、早期離職の防止にもつながります。

職場に“気軽に話せる人”がいることは、新人の安心感と成長スピードを大きく高める要素です。

職場文化としてのサポート体制

新人育成を“上司だけの責任”にせず、チーム全体で支える文化をつくることが大切です。

具体的には、部署全体で「報連相しやすい雰囲気」を育て、質問を歓迎する空気を整えます。先輩社員が率先して声をかける、ミスを責めずフォローするなど、小さな積み重ねが職場の信頼感を強めます。

チームが一体となって新人を支えることで、学習の機会が増え、社員全体の士気も上がります。組織全体が“育てる文化”を持つことこそが、長く続く人材育成の鍵です。

まとめ:問題行動は成長のチャンス

フォローの積み重ねが信頼を生む

新入社員の問題行動は、見方を変えれば“成長途中のサイン”でもあります。躓いたときは叱るのではなく、正しく導く姿勢が求められます。

日々の小さなフォローや肯定的な言葉が、やがて大きな信頼関係を築きます。「できない部分」よりも「伸びている部分」に焦点を当て、成長を見守るスタンスを持つことが大切なのです。

フォローを重ねることで、部下は「この人の言葉なら信じられる」と感じ、行動が前向きに変化していきます。

上司自身の成長にもつながる

新人指導は、上司や先輩にとっても成長の機会です。相手に伝わる言葉選び、状況に応じた対応、感情のコントロールなど、教育を通じて自身のマネジメント力が磨かれます。

つまりは教える立場であるほど、学ぶ姿勢を忘れずにいることが大切です。

部下の変化を喜びに変えられる上司は、組織にとって大きな財産となります。新入社員を育てる過程は、実は自分自身を育てるプロセスなのです。互いに成長し合える関係を築いていきましょう。


また、人事が現場との対話を続けることで、育成施策の効果も高まります。
主体性を支えるのは「仕組み」ではなく、「人とのつながり」なのです。

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