「空気が読めない新入社員」に効く!コミュニケーション力を高める研修設計術

「空気が読めない」「会話がかみ合わない」そんな新入社員に困っていませんか?
近年、個人の多様性が尊重される一方で、基本的なコミュニケーションスキルの不足が現場でのトラブルや孤立を招いています。
この記事では、“空気を読む力”や“相手の立場を想像する力”を鍛えるための研修設計ポイントを具体的にご紹介します。
目次
新入社員の「空気が読めない」原因とは?
よくある具体的な行動例と背景
「会議中に一方的に発言する」「上司の指示意図を読み取らない」など、空気が読めないとされる行動には背景があります。
最近の若年層はSNSなど1対1のやり取りに慣れており、空間全体の雰囲気を読む経験が乏しい場合があります。
また、学校教育では個人の意見を尊重する風潮が強まっており、状況に応じて発言や行動を変える“空気を読む”力が養われにくい傾向も見られています。
単なる“配慮不足”と決めつけるのではなく、こうした育ってきた環境や価値観の違いを理解した上で、適切な研修設計を考えることが大切です。
世代や価値観の違いが与える影響
上司世代が当たり前とする「場の空気」「気遣い」といった感覚が通じず、コミュニケーションのすれ違いが発生する場面は多くあります。
Z世代の新入社員は「理由がわかれば動ける」「納得感がないと不安」といった傾向が強く、相手の立場や期待を読み取る前にまず説明を求めるというスタンスになりがちです。
こうした傾向を踏まえ、「空気を読む=相手の意図を推測する」力を育てるには、世代間の価値観の違いをすり合わせるアプローチが欠かすことができません。

コミュニケーション力育成の基本方針
「伝える」より「察する」「聴く」を重視する
新入社員研修では「話し方」よりも「聴き方」「共感する力」の育成がカギとなります。表面的な会話力よりも、相手の意図を読み取り、適切な反応をする力が求められるためです。
「なぜこのタイミングで言われたのか?」「この場で求められている行動は何か?」といった背景に思いを巡らせることで、自然と“空気を読む”力が身についていきます。
そのためには、まず“聞く力”を高めるアプローチが効果的です。
研修では、「相手の話を最後まで聞く」「要約して返す」といった基本から実践することで、聴くことの大切さを体感的に学ばせることができます。
フィードバック型研修の効果
フィードバックを中心とした参加型の研修は、コミュニケーション能力の向上に効果的があります。
たとえば、日常のコミュニケーションで起きた“ズレ”のエピソードを共有し合い、「なぜすれ違ったのか」「どう伝えればよかったのか」を自分自身で振り返らせるワークは非常に有効です。
また、ロールプレイを通じて第三者からのフィードバックを受けることで、自分では気づきにくいクセや反応に対して理解を深めることができます。
外側の技術よりも内面の気づきを促す構成にすることで、実際の職場でも行動が変わるようになってきます。
研修カリキュラムの作り方
共感力・想像力を育てるワークの例
“空気を読む”という抽象的な力を育てるには、相手の立場を想像するトレーニングが有効です。
例えば「立場チェンジワーク」では、上司・部下・顧客など複数の立場を交代しながら同じ場面を演じ、それぞれの視点でどう感じるかを体感します。
ほかにも、「相手の発言を要約して返す」「感情を読み取るシナリオワーク」「困ったやり取りを共有して意図を分析する」といった実践型のワークに効果があります。
重要なのは、正解を求めるのではなく、相手の視点を考える習慣をつけることです。研修設計には“体験→気づき→共有”のサイクルが不可欠です。
ロールプレイと振り返りで気づきを深める
ロールプレイでは、ただの演技ではなく「感情の動き」や「相手のリアクション」に意識を向ける設計がポイントです。
終了後は、参加者同士で「どう感じたか」「どこが良かったか」をフィードバックし合い、自らの発言や態度を客観視する機会を持たせます。
研修講師は一方的に答えを与えるのではなく、問いかけを通じて受講者に“自ら気づかせる”サポート役に徹することで、行動の変化に繋がります。
振り返りシートやジャーナルの活用も有効で、「なぜその行動をとったか」「どうすればよかったか」を文字化することで学びが定着します。
研修後のフォローアップと定着支援
配属先との連携で“行動化”をサポート
研修で得た気づきやスキルを職場で活かすには、配属先との密な連携が必要です。
特に大切なのは、研修後に「どのような力が身についたか」「どの点に注意が必要か」を現場上司に共有すること。
例えば、レポート形式で研修成果をまとめ、配属先へ引き継ぐ仕組みを作ることで、OJT担当者も育成の方向性を理解しやすくなります。また、研修で育んだ視点が現場でどう活かされているかを確認する“レビュー面談”を、1か月後・3か月後に設けることで、行動の定着を後押しします。
成長を継続させる1on1と仲間同士の支え合い〈ピアサポート〉
研修で得たスキルや意識を継続させるには、フォローアップの仕組みがカギになります。
具体的には、週1回の1on1面談で「今週うまくいったコミュニケーション」「困った場面での対応」などを話し合う機会を設けることに効果があります。
また、同期同士で月1回の“振り返りミーティング”を設定し、互いに経験や悩みを共有することも、安心感と学習意欲の維持につながります。
こうした小さな対話の場が、空気を読む力の成長を自然に支えてくれるのです。
失敗例から学ぶ注意点
一方的な座学だけでは伝わらない理由
研修でありがちな失敗が、「座学中心で、参加者が受け身になる」設計です。
講義形式で「空気を読みましょう」と伝えても、具体的にどうすればいいのかが体験できない限り、行動にはつながりません。
また、講師の話を一方的に聞くだけでは、自分の課題に気づく機会が得られず、「知って終わる」状態になってしまいます。
空気を読む力は知識だけでなく実際の感覚が必要になります。
したがって、体験→フィードバック→気づきの流れを設計に組み込むことが不可欠です。
「本人任せ」の研修運用が招くズレ
もうひとつの失敗例は、研修を“本人任せ”にしてしまうケースです。
たとえば、「やる気のある人だけが伸びる」構成だと、自己開示が苦手な新入社員は、十分に吸収できずに終わってしまうこともあります。
また、現場が研修内容を把握していないと、研修で学んだ姿勢が否定されたり、逆に現場が困惑することもあります。
受講者の意欲だけに頼るのではなく、設計段階から「上司・OJTとの連携」「フォローアップ制度」などを整えておくことが、失敗を防ぐカギとなります。

まとめと実践アクション
小さな設計変更から始めよう
空気を読む力を育てるには、大がかりな制度変更よりも“小さな工夫”の積み重ねが有効です。
たとえば、研修の冒頭に「相手の意図を考える問いかけ」を入れる、終了後に「1日の気づきをシェアする時間」を設けるなど、設計に少し意識を加えるだけで参加者の行動は変わっていきます。
また、成功事例を社内で共有し、現場での実践と結びつけることも、社風づくりに役立ちます。
「空気が読めない」は変えられる課題です。まずは、小さな行動から変化を起こしていきましょう。
まずは自社の現状を見直すチェックリスト
- 新入社員研修に“聴く力”を育てる内容が含まれているか?
- フィードバックの時間がしっかり確保されているか?
- 配属先のOJT担当と情報連携がされているか?
- フォローアップ面談やピアサポートの仕組みがあるか?
これらを確認し、1つずつ改善していくだけでも、研修の成果と現場での行動が大きく変わっていきます。
新入社員研修をお探しの企業様へ ~ COBALT BLUEのご紹介 ~
今回は「空気を読む」というテーマでブログを書かせていただきました。
コミュニケーションひとつ取っても、自分だけの視点ではなく、相手の立場や、あるいは上司の立場になってみることで、見えてくる世界が大きく変わります。
ロールプレイや振り返りを繰り返すことで、少しずつ経験が積み重なり、「場の空気を読むこと」や「気遣い」とはどういうものか、自然と理解できるようになります。
新入社員研修は、企業の文化や業務スキルを伝える最初の重要なポイントです。
そんな新入社員には学ぶべきことが数多くあります。
そのすべてを社内で対応するのは負担が大きいため、外部に研修を委託することも選択肢の1つです。
私達の研修会社では新入社員や若手社員向けにビジネスマナー研修・コミュニケーション研修をセットにしたスタート研修を行っております。
私は講師としての経験は浅いものの、新入社員一人ひとりに寄り添う姿勢を大切にしながら研修を行ってまいりました。今まで担当した研修は2~4人の少人数制が中心で、参加者同士が良い点や改善点を伝え合えるような、安心して学べる環境づくりを心がけています。
私自身、前に出て強くリードするのではなく、一人ひとりの意見を尊重しながら、やる気を引き出し、ビジネススキルの向上をサポートをするスタイルを大切にしています。
こうしたスタイルの研修をより多くの人に届けたいという想いから、自ら研修会社を立ち上げる決意をしました。
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